ちょっと今更カンがありますが、本作のレビューを。
近未来モノの原点であり、未来都市って、薄汚れていて、ゴチャゴチャしていて、雨ばっかり降ってるという悪いイメージ(笑)を人類に植え付けさせた画期的な作品であります。
だけど何で、強力わかもと、なんだ?
そして、ストーリーはSF映画というよりは、フィルム・ノワールの趣。
考えてみれば、リドリー・スコットの代表的なSF映画って、SF映画のようでSF映画でないようなそんな作品ばかりに思う。
「エイリアン」は宇宙版「吸血鬼ドラキュラ」だし、「オデッセイ」は宇宙版「ロビンソン・クルーソー」だし。
「いい悪役が登場する映画はいい映画」の通り、最後のルドガー・ハウアーの名演も相まって、いまだに多くの人から愛される作品に昇華したといっても過言ではないように思う。
またこの映画は、その後に色んなバージョンが作られて、複雑な世界観になった作品でもある。
有名なレプリカントが6人っていうのも、最初は制作上のミスから生まれたものであり、ファンが色々と想像膨らまして楽しむのなら普通にいいけど、監督が悪ノリして「デッカードはレプリカントなのじゃ!」と言い出すのは正直どうなんだろ…。
ミスや粗がある分、観客に語る余地ができるわけで、それがかえって映画に輝きが増すような気がする。
「隙のある映画ほど、大衆から愛される」…かもしれませんな。
あと、本気で私は序盤の立ち食い蕎麦屋の親父は、ずっと益田喜頓が演じてるもんだと思い込んでました(;^∀^) 確かにちゃんと声を聞けば別人なのはわかるんだけどね。