どーもキューブ

ブレードランナーのどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

ブレードランナー(1982年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

リドリースコット監督、ブレードランナー対レプリカント




1982年作品、監督リドリースコット。
原作フィリップKディック。
製作、脚本ハンプトンファンチャー、デヴィッドピープルズ。
特撮ダグラストランブル他。
舞台設計シドミード。




続編が出来た「ブレードランナー2049」を見るための予習再鑑賞。それは「ブレードランナー」だ。もはや言わずもがな。

リドリースコット監督の殿堂作品でありSF映画の定礎作品。
キューブリック「2001年宇宙の旅」と並ぶ名作とされる映画。今も根強いファン、支持層、影響は計り知れない。

「2049」の公開にあわせファンブックや「映画秘宝」ムック「ブレラン」本が出来てしまう一本。過去の作品なのに。

最近「ブレードランナークロニクル」の鬼安い廉価版ブルーレイをゲット。
「ファイナルカット」DVDは予約、購入済み。ながらく全編は見てなかった。

ツィッターでリドリースコットが続編着手の文字。
だが、監督別人、高額ギャラで有名のハリソンフォードも出演とのこと。

続編レンタルに際して棚から一掴みのブレランクロニクルから「劇場版」をチョイス。ワーナーブルーレイ鑑賞しました。



まず出会いおさらい。

兄貴録画βビデオだ。繰り返しみていたようでビデオインデックスシールのタイトル文字が気合い入ってた。テレビでも度々放映されていた。

とにかく画面「ブルー」の印象。レプリカントの怖さを感じたルドガーハウアー。

「なんで?」

と手のひらになんかぶっさした件は幼心に疑問だった。今はなんとなくわかる(死に行く前の刺激なんかな?と。「おい死ぬな?」か、デカードと同じ痛みを分かち合いたいと解釈)

股絞めとパンクさと可愛さを感じたダリルハンナ。ダリルハンナは、のちロンハワードの「スプラッシュ」をテレビで見て再度魅了された。

今回見て改めてまず。キャストがいい。
だってダスティンホフマンのデカード役が成り立っていた事実。映像特典見るとねゾーッとする。ダスティンでイメージボードが書かれている事実あり。リドリーとも何十時間話し合い却下されたそうだ。あまりにもナイーブすぎる。「ランニングマン」みたいになる予感。他ロバートミッチャム(フィリップマーロウつながり)。ラウルジュリアとかあった。ラウルジュリアは、タイレル社社長とか良さそう。

とにかく思い直したのがハリソンフォードが良いこと。

短髪
捜査の冷静さ
自堕落な感じ
うどんと箸の不器用さ
ニヒルな臭い顔、苦笑い
追い詰めるアクション
ショーンヤングとのラブ、レプリカントラブロボットラブ
などなど
ハリソンフォードの俳優としての魅力爆発したんじゃないかしら。
前年にスピルバーグ「レイダース」でインディ教授で世界的スターになる。

本作の前にも「フリスコキッド」「ハノーバーストーリー」(共に未見、今や鬼レアソフト)で主演助演していたけど。圧倒的にハリソンフォードの出ずっぱりの魅了が詰まっている。

ショーンヤングもどこかさみしげな完璧レプリカントを演じていた。映像特典見るとショーンヤングに決まるまで難航。ハリソンフォードもショーンが当時新人だったのでかなりためらったそうだ。

が、特典映像で他候補の方を見るとショーン決定でホッとした。

あのタバコを揺らしながらすぱすぱ返す質問返答に多くの方が心奪われたはず。あのストリートでの銃を構えバカでかいコート姿や髪を下ろすあのしぐさなどに萌えたはず。演技も少し硬い感あるけどロボ仕様と捉えたい。

あの訳の判らぬデッカードを連れ回す折り紙叔父さんも強烈。「折り紙」だけでインパクトと可愛さを印象にのっける。役作りも入念で2カ国語を習いながら挑んだと。

ルドガーハウアーも哲学的要素を喋ることや白髪を含めリドリースコットに提案。全て受け入れられた。ルドガーのあの冷酷でロボのくせにしち面倒な台詞。
ダリルハンナとの猛烈キス。からの同僚ロボ死にを憂う悲しみのクシャ顔の素晴らしさ!からの顔面破壊のあの力顔からのラストの松の廊下のような狂言回し的肉体殺人者ぶり。

とにかくラストに惚れた。

あれは綺麗だよ!
あの雨
あの顔面
あの細見
ルドガーは、間違いなくこの役の付箋は、ポールバーホーベンのオランダ作品のイメージから絶対きている。「危険な愛」(再発求む!)「女王陛下の戦士」(未見)から来ているのかも。誰がルドガー推薦と言ったかは知らないが。

当初脚本製作のハンプトンが室内だけの会話劇に終始固執していたのをデビィッドピープルズがよりリドリーのイメージにあう映画的な脚本にしたそう。リドリースコットは、未来の外側を見せたかった様子!そりゃあ大事な要素。
だから

シドミードのあの素晴らしい都市空間と車が生まれたんだ。シドのあの空間の素晴らしさ。

あっ!未来のおかしな世界だなあ
とあの街を見た瞬間思ったものだ。

だって

「強力わかもと」(爆)

だもんね(ググッたら2018もアマゾンで売ってたからびっくり!わかもと。)

日本語と西洋の折衷ネオンサインの素晴らしい融合。やたらと日本人だから気になるのよね。

コカコーラ
ATARI
ゴルフ用品
中国人
万年筆
ホテル

とか文字が見れる。

この全く見たことない未来の世界観が本作の魅力だ。
あの世界の人々。
チャリで行くやたら帽子でかい人々。
イタズラな小人
バーでの突飛な未来人
みんな見たことないから凄いと思えた。

あと耳ざわりのループ日本語ね。

「おい!なんか落ちてくるぞぉっ!」


みたいな日本語が何気にループで喋ってます。「ブレラン」本見ると数パターンある様子だそう。結構気にするとやかましいほどしつこさに気づく。

あとあの車ね。フロントガラスが長っでかっていうあの車ね。2、30台作ったという話。日本車にもはめ込んだようだ。あのブシューていう煙。雨をはじくガラス。舞台やら車やらネオンサインやら美術、広告文字、ステッカーまでも全て リドリースコットの決定権限があったよう。それはそれは大変のよう。リドリーは、フランスの漫画やら「ヘビーメタル」を参考にした様子。

ハリソンが写真を引き伸ばす機械のシーン良いよなあ。あの

カシャアカシャアカシャア
STOP!!!

のシーンね。なんかすぐ実用化されそうだよなああの機械。未来にある気がする。 

リドリースコットのこだわった所であり影響を与えたのは、この未来観、世界観が素晴らしいんだと思う。

そこに漂う物語は、わりとフィルムノワールで室内で探偵物語のよう。

ロボット対人間というオーソドックスなSFテーマでありながらもそれをしっかり魅せてくれた物語だった。それでなんだかハッピーエンドだ。

本作劇場版は、丁寧にハリソンフォードの説明台詞が入る。リドリーも言うようにいらないのかもしれないが、わかりは良いのかもしれない。私はいらないと思った。

あとラストのダリルハンナとの対決からの尺が長い事にも気がついた。ルドガーハウアーとの対決もわりあいたっぷり時間かけてるなあって見ながら思った。

この終盤じっくりの描き方を見てリドリーの「ハンニバル」や「エイリアン」のラストを思い起こした。

略せば、人間がロボット退治する物語なんだけど、

まことに
綺麗
まことに
見たことない
見直して発見ある映画なんだ。

音楽のヴァンゲリスも良いよねえ。サントラ欲しくなってきた。

けど女性は、これ見て面白いんかなあと思ったりもする。男の子映画だよなあ。


ねちねち長く書いたがやはり素晴らしい映画だったのは、間違いない。

今や千円で全部見比べられる良い時代になりました。いちいち完全版、ファイナルカットとじらされたビデオはたまたLD時代を知る私としましては感慨にふけり便利さに心洗われる。




さて
リドリースコットの渾身SF
ブレードランナー劇場版
ハリソンフォード対レプリカント

やっぱり大傑作でした。

追伸
んで、このあとファイナルカット見たら画面が暗いのよね。んでインターナショナル完全版みるとまた画面明るいというまあこだわりというなの惑わし激しいっすわ。
まあこんなこと出来たの本作と「スターウォーズ」のルーカスだけだけどね。

次回あればの書けたらのもしも予告
インターナショナル完全版
ファイナルカット版レビュー
をお送りしますという気分にはほど遠い!

ご期待ください!今日脱稿
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