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チョン・ウチ 時空道士のCisaraghiのネタバレレビュー・内容・結末

チョン・ウチ 時空道士(2009年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

韓国映画では初めて見るワイヤーアクション満載の映画。

チョンウチは実在した人物であり、また彼をモデルにした古典小説のヒーローでもあるらしいので、映画は韓国内では誰もが知っていて当たり前のような事柄を前提に作られているのか、けっこう話がわかりにくかった。まず道士、道術がよくわからないし、後家を探しに行く意味とか、いつの間に妖怪を閉じ込めたの?とかも。わからなくてもそれなりに楽しめるのではあるが。調べたら、道士に護符はつきものらしい。

あまり上手くないワイヤーアクションは吊ってる感ありすぎて苦しいし、アクションのキレも本場香港映画にはかなわないけど、ドンウォン氏のいたずらっぽい表情や、韓国映画でおなじみ仙人のおじさん3人組のコミックアクティングが楽しい。仙人の現代での職業設定がこれまた笑える。

一気にスター・ウォーズ映画全作品制覇して直後のチョンウチなので、地元東アジアに帰ってきたなーという実感があった。東洋的な世界観、グローバルVSローカル、そして何といっても画面にかけられている資本が笑っちゃうくらいにまるで桁違い!スター・ウォーズと比べるのが間違いなのだが、正直見劣りしてプリミティブに見えてしまった。

しかし、あちらが超ゴージャスで精巧な仮想現実空間だとしたら、こちらは手作り紙芝居。紙芝居には紙芝居の趣と良さがあるはず。実際、塔のような岩山の上の住み処などアニメ紙芝居・日本昔話にまんま出てきそうだし、藍色に光る夜の草原は幽玄で美しい。チョンウチが王に化ける賑やかな場面も楽しく色彩豊かなのに、あまり楽しめなかったのは残念。一重に見るタイミングがマズかったと思う。また半分くらい忘れた頃に見返してみたい。

仏教、儒教と並んで中国三大宗教のひとつ道教。日本は道教文化の影響は受けていても、宗教として本格的に根付いたことはないらしく、わかりにくい宗教に思える。道士と仙人の違いは、フォースが使えるのが道士、不老不死なのが仙人、と考えればよいのだろうか?何だか超自然的で不思議な宗教だ。
 
石積みの塀の間で格闘していた場所は、デュエリストでドンウォン氏が演舞していたあの場所じゃないかな?

韓国語が半分でもわかったら、きっと今の数倍楽しめるのではないかと思う。
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