T太郎

プロヴァンスの贈りもののT太郎のレビュー・感想・評価

プロヴァンスの贈りもの(2006年製作の映画)
3.7
1030
ラッセル・クロウ、マリオン・コティヤール共演でお送りする恋愛映画もしくは人間ドラマだ。
ロマンティック・コメディとも言える。

いい映画だと思う。
私の好きなタイプの作品だ。
ちょっと笑えて、しんみりできて、ほっこりもできる。
ノスタルジックな感覚も喚起させられるのだ。

監督はなんとリドリー・スコットだ。
「エイリアン」や「ブレードランナー」「グラディエーター」などを手がけた人である。

何かの間違いではと、私は彼のフィルモグラフィを紐解いてみた。
すると、どうでしょう。
まぎれもなくリドリー・スコット作品なのであった。

この作品が、かなりの異色作品だという事は、そのフィルモグラフィを見渡しただけでも分かるだろう。。
それくらい、・・・普通の作品なのである。

普通こそ、至高。
とも言えるのだ。

主人公はマックス。
ロンドンの証券会社に勤める凄腕トレーダーだ。

だが、それだけに性格は極めて悪い。
傲岸不遜が服を着て歩いているような男だ。
実に鼻持ちならない奴なのである。

そんなマックスにある日、訃報が。
フランスに住むヘンリーおじさんが亡くなったという。
マックスの育ての親だ。

ヘンリーおじさんは、ワイン用のぶどう農場と古ぼけた屋敷をマックスに遺して逝った。
マックスにとっては、少年時代の思い出が詰まった懐かしい場所だ。

だのに、なぜ・・・

マックスは早々に全てを売り払う決断を下すのである。
深い理由はない。
自分には必要ないから。
ただそれだけなのだ。
なんという恥知らずで恩知らずな男であろう。

マックスが子どもの頃から働いてきたデュフロ夫妻がいる。
少年マックスを可愛がってくれていたし、晩年のヘンリーおじさんのお世話もしてくれていた人たちだ。

そんな夫妻に対する不義理ぶりも、腹立たしくも憎たらしいのである。

仕事はできるが嫌われ者、それが現在のマックスなのだ。

と、ここでファニーという女性が登場する。
魅力的な妙齢の美女である。
最悪の出会いを経て、二人は親密になっていくのだ。

ファニーとの恋愛が、マックスをどう変えていくのか。
あるいは、変えないのか。
そこら辺を気にしてご鑑賞いただきたい。

そのファニーを演じているのが、我らがマリオン・コティヤールだ。
実にお美しい。
彼女の魅力全開の作品だと言えるだろう。

私は普段このような事は決して口にしないのだが、今回は言わせて欲しい。

・・・マリオン、結婚して。
T太郎

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