まりぃくりすてぃ

従軍慰安婦のまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

従軍慰安婦(1974年製作の映画)
4.8
赤色の魔法? いや、赤色の実力。キレイな映画!
絶望しに行こうと思って観に行ったのに、気分アガって、シネマヴェーラからの帰り道がキラキラしてた! ずっと前に読んだけど原作の千田さん、私こんなもんでいいでしょうか?

女性にも、かなりお薦めです。本当にキレイで、面白くて、ちょっと泣けた秀作だから。(演技力まったく悪くない)全人物のキャラ立ちが、まるで秋の今頃の果物屋さんみたいな豊かさでした。

苦海の描写は言葉主体だし、その悲惨さに、挺身隊としての活気と五番町夕霧楼ロマンスが、(あざとさもなく、ほどよく)塗り重ねられています。そして下品さには、必ずユーモアをかぶせてあって。
同性ながら引き込まれてしまうほどの、秋子らの艶やかな、艶やかな顔アップ以外に、セックス描写さえもほとんどない。ヘタな文芸映画よりもエレガントなんです。真面目で。

あとは、クライマックスだけ。───「出ました、東映!」の活劇大サービスの終盤をどうみるか。
私は、頑張れ頑張れの素直な気持ちで見入りました。
でも、ずっと「この人、世界一美しいんじゃないか」「そうだよね、このごろ忘れてたけど、日本女性って本来みんなキレイなんだゾ」と思うぐらいに鬼映えしていた秋子(中島ゆたかさん←これで女優の名前?)がそのシーンで(服装と動き回りと髪のふくらみのせいでか)平凡な現代的美人でしかなくなっていたのが、惜しい気がしたので、若干減点しました。
でも、ふさ役の緑魔子さんや“母聖”たっぷりの三原葉子おねえさん、おしっこちゃん(女優名把握せず)……みんなみんなキレイで誇りがあって素敵でした! 中島さんも最期は再び美シスギマシタ。男性たちもふくめて、プロ中のプロばかり!