突然炎のごとくのqdfgcfghfgjhkghのネタバレレビュー・内容・結末

ドストエフスキーの白痴がその作品において一人の聖人を創造しようと試みたといった内容を思い出した。この作品全体において究極の愛というものの創造を試みたというように。
結婚、浮気、子供、戦争そして死。愛に限らずとも感情の要素とはそれ単体で存在することはできず、自身を取り巻く要素の中であらゆるものが常に変遷していく。美は衰える。結婚や出産は環境を変える。かつて燃えていた感情はいつしかどこかに姿を消すというのが一方で、また一方で痛々しいまでに不変の誓いを立てる姿もある。あらゆる愛に対する考察が１００分ちょっとの中に詰め込まれている。最後の姿に至っては愛は変貌を遂げ、その姿は美しさというよりはどこか妖怪じみてすらいる。拳銃を構えるところなどサンセット大通りを思い出したし、その先のラストシーンはこの終わり方しかないだろうなという諦めのような感じすらある。燃え続ける愛の試験はそのような形で終わりを告げる。カトリーヌばかりに目が行きがちではあるが彼女のそばに居続けたジュールの姿も非常に印象的だった。