舞台は1930年代、アメリカ南部のアラバマ州。
人種差別がテーマの社会派ドラマだ。
白人女性への性的暴行容疑で逮捕された黒人青年。
彼の弁護士・アティカスとその家族の物語。
ストーリーは法廷だけに留まらず、アティカスと二人の幼い子供たちとの心温まる交流も描いている。
この親子の関係がいい。
母親はすでに亡くなっているが、子供たちは父親を誰よりも尊敬し、信頼している。
父親はそんな子供たちを優しく見守りながらも、ここぞという時には愛情を込めてしっかりと諭す。
その時のさりげないスキンシップが、また泣ける。
やっぱり子供は、抱きしめてもらいたいんだよね。
親だって子供を抱きしめたい。
それが本来の姿だと思う。
裁判シーンが最大の見せ場だが、この法廷の状況は、納得いかなかった。
判決がどうこういうより、まず、被告が黒人男性なのに、陪審員は全て白人。
これってどうなの?
これで全うな判決が出る?
でも当時はこれが当たり前だったんだろうな。
現実は残酷。
「本当の正義って何?」って叫びたくなる。
悶々とさせられるシーンもあったが、とにかくこの親子の清々しさが勇気をくれる。
きっとこの子供たちは、父親の意志や信念を受け継いで行くんだろうなって、明るい未来が見えた気がした。
たった一人で裁判に立ち向かい闘ったアティカス。
彼を讃える傍聴席の黒人たちの姿が心に残る。
良作だ。
オススメしてくれた “しのちさん”、ありがとう!
思い立ってすぐに観て、本当に良かったよ。