ぼぶ

恋愛小説家のぼぶのレビュー・感想・評価

恋愛小説家(1997年製作の映画)
4.2
強迫性障害の恋愛小説家の偏屈毒舌おじさんが、わんちゃんと恋に変えられていくお話。

他の映画でニコラス・ケイジも似たような役をやってたけど、今作のジャック・ニコルソンの方が数倍も嫌なやつで、もどかしくて、だからこそ愛おしくなる。

決まったルーティン(鍵を5回回すとか)をして、石鹸も1度で使い捨て、道路の繋ぎ目は跨ぐしかなくて、外食先でも決まった店の決まった席、自前のプラスチックのナイフフォークで食べる…なかなかの仕上がりっぷりなうえに、平気で人を傷つける言葉ばかり言う毒舌っぷりなのだけど、唯一言葉を交わすその行きつけの店のウェートレスに惹かれていく。
そんな時、隣人の(最初はゴミ箱にぶち込むほど嫌いだったw)わんちゃんを預かったところから心が変わってきて、恋も二歩下がって三歩進む感じで進展し、マトモな人を目指しはじめる。
ナイスきっかけわんちゃん。🐶

あと一息で!もうほぼ彼女の方が答え言ってくれてるぞ!っていうところでも決めきれず、むしろ怒らせたりと、やきもきさせられるのだけど、よく考えたら最初のスタート地点が、なかなかにヤバいところからなので、やや仕方ない感はある、むしろ頑張っているのかも。(ドライブ用CDを作ってたり、カニ料理にこだわるところも愛おしい。

そして、ステキな台詞だったのが、「(君を愛してるから)いい人間になりたくなった(だから嫌いだった薬を飲むようになったよ)」
「君が世界一素敵だということを、世界で僕だけ気付いている、それが誇らしい」
という2つ。
特に、1つ目はYou make me〜なので、英語のままで考えると、よりステキな愛の言葉だ。

朝方4時の散歩へ、大切な人を連れ出すには、“焼きたてのパンを買いに行く”という口実が良いとも教えてくれる一作。
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