にーやん

マイ・レフトフットのにーやんのレビュー・感想・評価

マイ・レフトフット(1989年製作の映画)
4.0
アイルランドが誇る左足の画家、詩人、作家の クリスティ・ブラウンの軌跡 を綴ったヒューマンドラマ。

とはいえ障がい者を扱うありがちな映画とは少し毛色が違うように思えるのは、単純に憐れみを煽ることも、数々の困難や挫折を涙ぐましい努力で乗り越えた…的な押し付けがましい描写なども殆どない。先天性の脳性小児麻痺というハンディキャップを持って生まれたひとりの人間の成長過程を、観る側が 自由な視点 を持って鑑賞をすることができる稀有な作品。クリスティが美化されることなく描かれるその 人間味 にある種の共感がじんわりと生まれた。

環境やハンディ、努力に堕落、才能も性別も幸せの形も十人十色。それでもカテゴリーは皆同じ人間。これは障がい者の有無を超えた 人間讃歌 なのかも知れない。。映画の中のクリスティを観ながらそんな事を考えた。

圧巻はダニエル・デイ=ルイスの役者魂。母親役のブレンダ・フリッカーはもちろん、クリスティの少年時代を演じた子役さんもとても良かった。


クリスティ・ブラウン御本人と彼を演じたダニエル・デイ=ルイスの才能と苦労は察するに余りある。
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