コーカサス

続・荒野の用心棒のコーカサスのレビュー・感想・評価

続・荒野の用心棒(1966年製作の映画)
3.8
過去の自分を入れた棺桶を引きずる男、その名はジャンゴ。

冒頭の泥濘(ぬかるみ)を棺桶を引きずり歩くそのシーンから、ラストの十字架とコルトSAAを捉えたショットはゾクゾクするほどクールでカッコいい。

テーマ曲の「Django」はタランティーノ監督の『ジャンゴ 繋がれざる者』そのままに、棺桶に仕込ませたガトリング銃の演出はロドリゲス監督の『デスペラード』へと、今も多くのファンにカルト的な人気を誇るマカロニウエスタンの傑作だ。
また本場の西部劇とは一線を画すマカロニウエスタン特有の暑苦しく、血生臭い残虐描写はもとより、終始フランコ・ネロの哀愁に満ち溢れた演技が光る代表作でもある。

そんな傑作だけにイーストウッドの『荒野の用心棒』とは“何の関係もない”邦題が実に好ましくなく残念。
今からでも原題の『Django』に変えて(戻して)みてはどうだろう。
勿論、“Dは発音しない”約束で。

55 2023