真っ黒こげ太郎

13日の金曜日の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

13日の金曜日(2009年製作の映画)
4.5
最終作を見る前に、リメイク版をチェック!

実は最終作は以前鑑賞済み。初見の作品はこれで最後だ!!!




数十年前に連続殺人事件が起きたというウワサのある湖「クリスタル・レイク」レイクのキャンプ場にやってきた若者グループ。
だがその若者達が突如行方不明になる事件が発生する。

事件から6週間後、事件で行方不明になった妹を探すために、クリスタル・レイク周辺でチラシを片手に聞き込み調査を行っていた青年クレイ。
休日を過ごすため、別荘にやってきた若者グループの一人、ジェンナと共に湖の近くを探すことになった。

だが、その湖の近くには覆面を携えた恐るべき殺人鬼が居た…。





湖近くのキャンプ場を訪れた人々が、恐るべき殺人鬼の手により次々と殺されてゆくスラッシャー・ホラー。
1980年に製作され、スラッシャー映画の金字塔となった「13日の金曜日」のリメイク作品。


今回、イチからリメイクという事で「ジェイソンが出るまでの話、どうすんだろ」と思いながらも鑑賞。

今回、「13金シリーズの新しいスタート!」というよりは「1~4のお話をベースにある程度簡易化して1本の作品に纏め上げた」という感じになってました。
要するに「1」の事件のクライマックスが冒頭で描かれ、「2」のジェイソン初暴れがアバンタイトルで描かれ、「3」以降のホッケーマスク装備の元での大暴れが本筋で描かれる…といった感じで物語が展開されます。

とは言え単なる総集編やダイジェストという感じではなく、本筋はちゃんとオリジナルで物語が展開されます。
まぁ、おバカな若者グループがジェイソン風紀委員長にお仕置きされ、真面目な性格の生き残りがジェイソンから逃げながら反撃するという、何時も通りの展開なんですが。w


んで今作、良くも悪くもマンネリの展開ではあるんですが、テンポの良い、スラッシャー物のツボを押さえた、良く出来たリメイクだと思いました。(個人の感想です。)
あちこちで否定的な意見も目立ちますが、俺は楽しめました。
まぁ今作の前に見たのが少々アレな作品だったのもあるのかもしれんが。w


今作はリメイク作とは言え、やってる事は何時もと変わりありません。wwww

バカな若者グループがキャンプ地にやってくる。

若者はヤクと酒と女とセッ●クスに夢中!w

別行動になったら殺人鬼に襲われて死ぬ。

アホなカップルが性行為後に殺人鬼にコロコロされる。w

生き残った真面目な人が殺人鬼から逃げながら反撃。


とまぁ、過去作同様にスラッシャーホラーの王道内容をなぞっている。
まぁ、今作自体がスラッシャーホラーの王道作となった作品のリメイクだから、必然的にそうならざるを得ないんだけどね。w
こういうのは「マンネリ」と言えばそうだが、今シリーズでの「マンネリ」は誉め言葉みたいなもんですよ。w
素晴らしき、マンネリズム。wもはや伝統工芸品の域。w


そして今作は過去作の良い所をを上手い具合に汲んでリメイクされている。
「1」の展開はクライマックスしか描かれないが、その後の若者の怪談話で詳しく語られる。

「2」のホッケーマスクではなくズタ袋を被ったジェイソンはタイトルアバンで登場し、大暴れしてくれる。
そのアバンも23分と(!?)長尺ながら、これ一本でスラッシャーホラーとして成立するレベル。
ホッケーマスクジェイソンだけでなくズタ袋ジェイソンの大暴れまでもが味わえる贅沢仕様なのが嬉しい。

そしてアバン後は「3」以降のホッケーマスクジェイソンが大暴れするというお待ちかねの展開。
例によって例の如く、若者グループのワチャワチャはバカ丸出しだしだけど、ジェイソンがバカどもをきっちりしばき倒す展開はもうお約束だけど見てて安心します。w


また一部場面もオマージュとして残っており、「2」でジェイソンが母親の姿を重ね動けなくなる場面や、母親の生首があるジェイソンのボロ家。「6」以降の水没するジェイソン。そして「1」「2」の衝撃のラスト等、オリジナルのドラマ展開ながら上手く盛り込んでいて、シリーズ経験者としては「あー、あったなー!!!」と嬉しくなった。
(チェーンで首を締め上げられるのは「7」が初めてだっけ…?w)


作品単体としては、近年の映画らしく普通にテンポが良くて、殺人鬼の暴れっぷりもパワフル、グロシーンもしっかり見れるとスラッシャーホラーとしても純粋に楽しめる仕上がり。

作中の連中はバカが多いが、主人公側は比較的真面目な性格なので話に入り込みやすいのはポイント。
(無論、バカ連中も多いので、殺され役も沢山!!!!)

ジェイソンは走り、ワープし、あらゆる凶器をフル活用して大暴れ。
動きもやたらパワフルでクライマックスの逃走劇&反撃も「3」同様にエキサイティング。

ゴア描写は「クライモリ(無印)」「デスバーガー」レベルの初心者向けだけど、ちゃんと死に様をしっかり見せてくれるのは素晴らしい。
大した描写ではないのだが、血は噴き出て、肉が丸見えになる場面をしっかり映してくれる。
殺され方も鉈、斧、弓、鉄棒等、殺戮のバリエーションも豊富で飽きずに見れた。
(ジェイソンが弓を使ったのは意外だったけど。)



そんなこんなで「13金」リメイクとしてもスラッシャー映画としても楽しめた本作。
お約束展開の連続ながら、テンポも良くお話も王道ながら面白く見れたので、スラッシャー物としては十分楽しめる一作。

目新しさの無い無難な内容と捉えられるかもしれんが、過去作の時点でマスクを変えたり不死身の化け物なったりクリーチャーになったり(!?)で何度もイメチェンしてるし、エスパー(!!?)やアンドロイド(!??)と戦ったり、大都会や宇宙(!!??)に言ったりで、もう行き着く所まで行っちまった感はあったので、こういう作りにして13金シリーズの初心者にも分かりやすい内容にシフトしたのは上手いと思う。


難点と言えばそこまで怖さを感じないのと、後殺人鬼から逃げる時に殺人鬼の家に行っちゃうのはどーかと思ったことは気になった。
(ラストシーンは中々ビクッ!としたが。w)


まぁ、オリジナル経験者(俺)から未経験者まで至極真っ当に楽しめると思うので、スラッシャーホラー映画好きなら見て損はないと思う。

さて、13金シリーズ追いかけの最後は最高にぶっ飛んだ一作で〆ましょう。w