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おしゃれ泥棒のほーりーのレビュー・感想・評価

おしゃれ泥棒(1966年製作の映画)
3.8
オードリーとウィリアム・ワイラー監督のコンビ3作目にあたるロマンチック・コメディ。

原題は『百万ドルを盗む方法』なのだが、これを『おしゃれ泥棒』と題をつけたセンスも良いと思う。ちなみに本作のオードリーの出演ギャラが百万ドルだったとか。

贋作画家の父(演:ヒュー・グリフィス)をもつオードリー。彼女は父に対してバレる前に早く足を洗ってほしいと思っているが父はなかなか聞き入れてくれない。

ある夜、彼女の家に泥棒(演:ピーター・オトゥール)が侵入。父の作ったゴッホの贋作画を盗もうとしたが、一人家にいたオードリーが彼を捕まえる。

およそ泥棒らしくない風貌のオトゥールにノラリクラリとかわされた上、オードリーは彼を滞在先のホテル・リッツまで車で送る羽目に。

一方、父親は偽物のビーナス像を美術館に貸し出すのだが、それが今度科学鑑定に出されることになった。鑑定されればすぐに偽物であることが露見して父親は監獄に入れられてしまう。

一計を案じたオードリーはあの晩の泥棒にビーナス像を盗んでもらおうとホテル・リッツに向かうのだった……。

これは好みの話だけどちょっとこの頃のオードリーは目の周りのメイクが濃すぎてちょっと苦手。

だけど衣装センスはやっぱり相変わらず抜群で、本作でもジバンシイがデザインした服を華麗に着こなしている。

有名な白帽子に白サングラスのファッションもさることながら、変装した掃除婦の格好ですらまるで美術ポスターから抜け出たような美しさを感じる。

まさに『おしゃれ泥棒』なのである。

ピーター・オトゥールも長身で洗練されていて格好いい。『アラビアのロレンス』みたいな変な役だけではなく、こういう正統派もイイデスナ。

脇を固めるヒュー・グリフィスやイーライ・ウォラックもいい味が出ているが、美術商役のシャルル・ボワイエが印象弱く、ちょっと使い方が勿体ないように思う。

あと太っちょの酒呑みの警備員が面白く、上司に怒られて自分の口髭を下に曲げるシーンがなんとも可愛い。

赤外線センサーで厳重な美術館からビーナス像を盗む際のトリックが素朴で良いなぁと思う。脚本は誰だろうと調べたら、『情婦』でワイルダーと脚本を共同執筆したハリー・カーニッツでした。なんとなく納得。

■映画 DATA==========================
監督:ウィリアム・ワイラー
脚本:ハリー・カーニッツ
製作:フレッド・コールマー
音楽:ジョン・ウィリアムズ
撮影:チャールズ・ラング
公開:1966年7月13日(米)/1966年11月12日(日)
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