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デッドマンのろのレビュー・感想・評価

デッドマン(1995年製作の映画)
5.0

「おまえの詩は、血で書かれるものだ」

スーツやドレスの紳士淑女が、毛皮のベストに猟銃の男たちへ。
壊れた幌馬車から、森に佇むインディアンテントへ。
眠りから覚めるたびに乗客の風貌も、ブラインドの隙間を流れる景色も移り変わっていく。

クリーブランドから仕事を求めてやってきたウィリアムは入り組んだ工場を進んでいくが、結局雇ってもらえず路頭に迷う。
その夜、花売りと出会った彼はひょんなことから殺人を犯してしまう。

棺は次々に組み立てられ、バッファローの頭蓋骨は所狭しと吊るされている。
まるで弾けたポップコーンのように、銀色の泥道に散らばる紙の造花。
気絶したところを‘ノーバディ’と名乗るインディアンに救われたウィリアムは、殺し屋から逃れるため森の奥深くへと進んでいく。

哲学的な言葉を語るノーバディに、おまえの言うことはさっぱり分からないと吠えるウィリアム。
しかし同姓同名の詩人ウィリアム・ブレイクの人生を辿るように、自らの死を恐れなくなっていく。
「銃はお前の舌だ。銃で話すことを学ぶ」
「舟を造っても雨雲は来る」
ウィリアムのメガネの奥で、焚火の炎が揺らめきはじめた。

「おまえを殺した奴を、殺したか?」
雨の中、シダーの葉を敷き詰めたボートは海に出る。魂の故郷を目指して。



( ..)φ

ちょっともうなにこれ、激烈にかっこいいじゃん!
Youtubeでメインテーマを聴きながらこのレビューを書いているのですが、エレキギターがリズムを刻み始めた途端、まるで今初めて聴いたみたいに、ヤベー!とニヤニヤしてしまいました。夕暮れ時の感動よ、ふたたび!
これサントラ欲しいなぁ、明日ニールヤングさんのアルバム借りてこよう。

クマちゃんのぬいぐるみと眠るおじちゃん殺し屋。「ママ、ビスケット!」の寝言まで可愛いのに、気配を感じるとサッと銃を構える。
ミッチャムさんが「黙れ!」と机をドンしたら、ジョンハートさんが豆鉄砲食ったみたいにおちょぼ口になる、その一瞬のお顔が本当に可愛らしくてちょっぴり泣いちゃった。
ろ