円柱野郎

ONE PIECE FILM Z ワンピース フィルム ゼットの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

冒頭での黄猿との一騎打ちで、その実力を観客に見せつけるゼット。
その後、麦わら一味との対決があり、一度敗れたルフィは、奪われた麦わらを取り返しに最後のバトルに赴く…。
とまあ、敵役が違うだけで話の大筋はこれまでの映画とそんなに変わらない。
むしろこれが完成された王道バトルストーリーなのだと言われればそうなのだけど、そういう分かりきった展開でも、今作はゼットの人物像やそこに至る経緯の描き方が上手く表現されていて、終盤は非常に熱い漢の作品になってました。

興味深いのは、単純に劇場版というスピンオフで終わらずに、"海軍幹部を育てた男"ということで原作の設定にも踏み込んでいるところか。
敵側以外のゲストキャラを省略して、"海軍の姿"に絞ったのも良かった。
普段ならテーマの代弁者がそういうゲストキャラになるのだけど、ここでは何と海軍を辞めた青雉というところも良い仕掛けになっているかな。

アクションシーンは作画も動画も気合入りまくりで清々しい。
グルグル動くしスピード感も抜群。
メインキャラが多いので同時に戦わせると話が発散しがちになるけど、その辺もルフィ・ゾロ・サンジ・その他で上手く整理できていた気がする。
ラストバトルも決め技を出さず、ボロボロになるまで殴り合い…と、とにかく熱い。
ルフィにゼットの打撃が効くのは…黒腕のせい?と思ったら、設定ではそれは武装色の覇気なんだとか。
なるほど…。

それにしても幕切れをああいう風に描いてくるとは。
最後なんて完全にゼットという漢の生きざまを描いた映画になっていた。
そういう意味ではタイトルに偽りなし!
円柱野郎

円柱野郎