ひでやん

刑務所の中のひでやんのレビュー・感想・評価

刑務所の中(2002年製作の映画)
3.6
受刑者たちの刑務所生活を描いているが、この重いテーマを一定のリズムで淡々と描いている。人間模様、食事のメニュー、厳しい規則などを、まるで夏休みの自由研究のように細かく丁寧に描く。

陰湿なイジメがあるわけでもなく、脱獄するわけでもない。全体的に合宿や修学旅行のようなほのぼのとした雰囲気。

指先をぴんと伸ばし足踏み行進し、工場作業中トイレに行く時も、落としたものを拾う時でさえも手を上げて許可を取らなければならない。

整理、掃除は丁寧に綺麗にする。規則違反は懲罰房に入れられる。そんな厳しい規則ばかりではなく、嬉しいこともある。

年末、正月にはおせち料理が出され、工場作業が休みの日もある。月に数回パンの日があり、小倉やマーガリンがある。
映画集会があり、その時は足踏み行進はなく、お菓子がもらえる。

ガッチガチに厳しい規則ばかりで受刑者を固めると精神的にもたない。厳しさの中にちゃんと娯楽があり、息抜きができる。

刑務所の外は自由だが、自由な世界で働くサラリーマンは、どれほどの娯楽があり、どれほど息抜きできてるんだろう、なんてことをぼんやり考えた。
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