かずぽん

大陸横断超特急のかずぽんのレビュー・感想・評価

大陸横断超特急(1976年製作の映画)
3.8
【シルバー・ストリーク号から何度も落ちる主人公】

監督:アーサー・ヒラ―(1976年・米・114分)
原題:Silver Streak
音楽:ヘンリー・マンシーニ

『ヤング・フランケンシュタイン』で主役を務めたジーン・ワイルダー繋がりでの鑑賞です。
コメディ、ミステリー、ロマンス、サスペンスなど、エンタメ要素がてんこ盛りでした。

ジョージ・コールドウェル(ジーン・ワイルダー)は、妹の結婚式に出席するため、ロスからシルバー・ストリーク号に乗りシカゴに向かいます。職業は書籍編集者ですが、一等寝台車に乗るくらいのゆとりがありそう。
食堂車で薬のセールスマンを名乗るボブ・スウィート(ネッド・ビーティ)と知り合います。彼は、シカゴまでは車中で2泊するので女性と過ごす時間はたっぷりあると言い、ヒリー・バーンズ(ジル・クレイバーグ)という女性に声を掛けますが、相手にされません。ところが、ヒリーはジョージに声を掛けて来て意気投合。
ヒリーはレンブラントの専門家・シュライナー教授の秘書で、教授が書いた専門書の裏表紙を見て、ジョージは教授の顔を知ります。
ヒリーの寝台車でお酒を飲んでいると、ふいに窓の外に頭部を撃たれた男性が逆さまにぶら下がり、列車から転落するのをジョージは見てしまいます。何とそれは、先ほど本の写真で見たシュライナー教授ではありませんか!?

同じ列車に画商のデヴロー(パトリック・マクグーハン)と彼の仲間が乗り合わせており、デヴローはレンブラントの偽造品を本物と認定して販売していることを教授に暴露されるのを恐れ、教授を狙っていたのでした。
意表を突かれたのは、薬屋のボブが実はFBIの潜入捜査官だったこと。そして、ジョージが見かけによらず正義漢で、案外無茶をする男だったこと。
デヴローの用心棒の大男リース(リチャード・キール)にジョージは列車から落とされますが、――また、他のシーンでも落ちる破目になりますが、何とか列車に戻ることが出来るのです。その災難の先々で農家のオバサンと知り合ったり、黒人のグローヴァ―(リチャード・プライヤー)という相棒が出来たり、楽しいったらありゃしない!(笑)
ラストは、シルバー・ストリーク号の暴走シーン。列車のブレーキは効かない、機関士はいない、機関車はハイスロットルの設定のままシカゴ駅に突入します。
ここのシーンの迫力!!
ロッキード飛行機製作所の格納庫に組まれた実物大のセットとのことですが、駅のビルにまで高速で突っ込んでくる列車の破壊力が凄かったです。14秒のシーンとのことですが、このシーンだけで50万ドルも掛かったそうです。

相棒のグローヴァ―が登場してから俄然、面白い展開になります。勢いづくというか、画面が元気になるというか、列車でのアクションやピストルの撃ち合いもあってスピード感も増します。
そういえば、グローヴァ―の職業(?)は泥棒。ラストではお気に入りの車を手に入れて(盗んで)颯爽とジョージとヒリーにサヨナラでした。
ジョージは妹の結婚式に出席すると最初に言っていたけど、無事に出席したのでしょうか。気になって仕方ありません。
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