喜連川風連

ハリー・ポッターと秘密の部屋の喜連川風連のレビュー・感想・評価

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個人的には持たざる者の物語が好きなので、ハリーくんのような生まれつき天才のお話はあまり興味はないものの、つい最後まで見てしまう。

才能あふれるハリーくんにも悩みがあり、自分の力が善悪両方に通じていることに悩む。

それに対してダンブルドアが「才能の有無ではなく、その選択にこそ、そいつの人生の真価が問われる」と語っていたが、含蓄がある。

秘密の部屋回はかなり陰鬱だった記憶。

ハリーさんが冤罪で、学校での立ち位置を失っていったり、トイレのシーンが大勢を占めていたり、薄暗い洞窟で決戦したりと、あまりいい気分で見られない。

加えて役者のメイクも何かと真っ黒になり、最終決戦後のハリーの頬は真っ黒、ダイアゴン横丁に飛んだ後も真っ黒、マルフォイ父の腹も真っ黒。

友達を選べと言っていたマルフォイが無能でイエスマンのフラップとゴイルを側近にするという皮肉。

ラスボスは恐竜にそっくりの見た目のヘビ。ジュラシックパークのような逃走モノ、加えていつもの謎解きが物語を彩る。

しかし、前作に加えて緊張感を与えるのは賢者の石で心強かったハーマイオニーの不在。

子ども向けの王道ファンタジー色の強かったクリス・コロンバス監督作はここまで。

書体も金色を使っていたのは本作まで。ポスターのテイストも大人向けになっていく。

次作はROMAのキュアロン監督。
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