タカシサトウ

沈まぬ太陽のタカシサトウのネタバレレビュー・内容・結末

沈まぬ太陽(2009年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

 「クライマーズ・ハイ」に続いて、こちらもまた観る。

 こちらは、主に、当時、日本航空がいかに酷い会社であって、それを何とかよくしようと、恩地(渡辺謙)が奮闘するけれども、という話。

 会社経営陣が組合を潰すために、傀儡の組合を作って、組合が乱立したり、組合の委員長である恩地を海外に転勤させたりする。それでも、彼はめげないんだけれども、本当は結構辛いのでは?、家族の傷つきはもっと大きいのでは、と思った。

 日本航空123便墜落事故の遺族のことを、少ないが少し丁寧に描いている、身近な家族を突然奪われること程、大きなトラウマはないだろう。会社のごたごたの話に尺を取り過ぎているのが残念。

 123便の事故原因は、隠蔽されている所もあるようだが、日航のパイロットが精神疾患なのに操縦して事故になった350便もあった。

 この映画では、恩地が、遺族の為に尽くしていくが、遺族が騒ぐと困るので、会社は、恩地をまた海外に飛ばそうとするという、なかなか辛い話。でも、彼はめげずに、という話。事故の遺族に対して、突然家族を奪われた苦しさに比べたら、(大したことない)、という言葉が重かった。
 
 日本の喧騒よりも、支店のあるケニアのナイロビの方がゆったりしているという彼の姿に。私にはとても無理だけれども、このように暮らす人生もあるのかもしれないと思った(2023.8.12)。