ぬーたん

沈まぬ太陽のぬーたんのレビュー・感想・評価

沈まぬ太陽(2009年製作の映画)
4.5
日航機123便墜落事故・1985年8月12日…今日で34年が経った。
久し振りにこの事故を扱っている映画を観ることにしたよ。
事故当時、私はまだ20代で東京に住んでいた。
個人的な理由により、この事故は長い間、ずっと心に重く残っている。
山崎豊子のあの長い小説を映画化すると知った時は一体どうやってまとめるんだろう?と驚いたが、海外駐在のシーンを一部回想にしたり、上手く作られていた。
それでも3時間22分の上映は途中でインターバルがあった。
2009年の公開からちょど10年経った。
あれだけの長さの原作を壊すことなく、この時間でまとめ、全くだれていない。
素晴らしい、のひとこと。
もちろん、気になる箇所は多々ある。
航空機や事故後のシーンなどでは雑な所も見えるし、社内のいざこざでは大袈裟な会話も気になったし。家族のこともリアリティが感じられず。
しかし!とにかくよく出来ているのだ。
俳優が先ずは素晴らしい。
主役の恩地元には渡辺謙。
言わずもがな、の名優で、世界のケン・ワタナベ。
実直で強い信念と曲げない頑固さ。役にこんなにピッタリの俳優は居ない。
お陰でドラマ版を観る気がせずに、録画したまま置いてある。
勿論ドラマ版の俳優も良いのだけど…。
謙さんの若い役は髪型がちょっとナンだが。現在のサッパリした頭は涼し気で宜しい😅コツコツと汗をかきながら遺族の家を回る真面目な所は、謙さんの刑事ものにも被るね。
この方は声がいい。英語もいいし。聞きやすい。
対照的な役、行天四郎を演じるのが三浦友和。
うーん、どうも悪い役が多い割に、ずる賢く見えないんだよね。
好青年のイメージが残ったまま。
愛人もいる感じしないし。百恵さんの影響かしら?
多くの欲の張った連中が出て来るが、まあ、居そうだわね、と思える悪代官っぷりで役にはまっていて、良かった。
一方の善人側(と勝手に組み分け)には大杉漣や石坂浩二など、これも良かったね。この2人も声がドス効いてて良いの。
個人的には総理役の加藤剛さんが昔から好き。
まあ、とにかく、今見ても豪華な俳優が次から次と登場して、それだけで満足。剛さん、漣さんと亡くなった人も居たから懐かしい。
日航機事故のことを描いてるものの、あくまで国民航空(日航のモデル)の社内とその社員である恩地元が主役であり、事故のことが中心でもないし、あくまで遺族のお世話係となった恩地に焦点は当てられている。
カラチ、テヘラン、ナイロビと転勤するが、時間的にあまり詳しくは描かれていない。
でも、アフリカの広大なサファリでの謙さんが、いい。
まさに、沈まぬ太陽、だ。
来年はドラマ版を観よう。

※この事故には陰謀説もある。
もちろん、9.11もそうだし、常に陰謀説はあるんだろうね。
ただ、個人的理由で、この事故に関する本はかなり読んでいて、興味深い記述が多い。
遺族の小田周二さんが書いた『524人の命乞い』
青山透子さんの本は3冊、そのうち『日航123便墜落の新事実』
この2冊はここ数年の本で、新たな事実が書かれている。
古いものも含めると10冊以上の関連本を持っている。
いつも8月12日は一通りパラパラだが読むことにしている。
現在の日航の社長は事故後入社の初の社長らしい。
時は流れた。
当時の総理、中曽根氏はまだご健在?百歳超えてるのでは…?
しぶといね。(笑)
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