きた

メランコリアのきたのネタバレレビュー・内容・結末

メランコリア(2011年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

最高。冒頭がめちゃくちゃに美しい。空に浮かぶ月とメランコリア、蛾の大群の中の花嫁、星空の下座り込む馬、燃え落ちるブリューゲル、オフィーリアと化したジャスティン、こういうイメージがワーグナーにのせてスローモーションで何枚も提示される。このつかみだけで名作決定。

地球に惑星が衝突する?ってところからSFみたいなものを期待してはいけない。トリアーなので笑

今の世界でうまくやれない人は世界が変われば急に元気になったりする。逆もしかり。一章と二章で頼もしさが逆転する姉と妹が面白かった。ジャスティンにとって結婚することは地球が滅亡することより恐ろしかったんだよなぁ。

あの家自体が各章での妹と姉の心そのものみたいなことなのかな。
馬やカートが渡れなかった橋は心の境界で、とらわれているうちはそこから出て行くことができない(人の意見は耳に入らない)という風にとらえていた。
そうすると19番ホールってのはあるはずのないものが心の中に生み出されてるってことで、しっかりしてたクレアの精神状態はかなり危ない状態だったということ。

キルスティン・ダンストとシャルロット・ゲンズブールの美の競演の映画でもあるから、画面眺めてるだけでも楽しい。ただラスト、吹き飛ばされる瞬間まではいらなかったかも。ぜひデカいスクリーンで見たい作品。
きた

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