このレビューはネタバレを含みます
ピーター・グリーナウェイ監督でも屈指のエロ&グロテスクを極めた衝撃作。『ベイビー・オブ・マコン』と言う舞台劇を鑑賞するメディチ家の大公他、それらをまた鑑賞する傍観者達の劇中劇。人間のエゴと醜さを過激な描写で映し出し、絢爛豪華な美術とヴィジュアル力で殴り掛かる。聖者・処女への過剰な思考には行き過ぎた表現もあり、女性の扱いがかなり暴力的な為、デリケートな方には視聴は勧められない。若かりしレイフ・ファインズがかなり身体を張って演じられて居るのも印象的でした。
舞台劇である筈なのに現実との境目が曖昧になり、劇中死人が出ているのに演者や傍観者が淡々と受け入れるのがグリーナウェイの流儀なのか。怒濤のラスト30分は壮絶。