井上靖原作の映画化。
主要キャストは日本人ですが、中国での超大規模ロケを敢行していて、戦闘シーンなどはかなりの迫力があります。
衣装や甲冑も非常によく出来ていてリアリティを醸し出してますが、歴史考証が非常に良い加減なのが、なんとも残念。
1. 西夏の人間は自分の国を「大夏」と呼ぶ。「西夏」は後世の人間が古代の「夏王朝」と区別するためにつけた通称。
2. 劇中で甘州ウイグル王国を滅ぼしているし、「天聖」という元号が出ていることから西暦1028〜1030年頃からのお話だけど、話の核になる「西夏文字」が文字が作られ公布されたのは李元昊登極後の1036年。
3. 劇中、李元昊を「皇太子」と呼んでいるが、李元昊は西夏の初代皇帝であり、皇太子ということはありえない。史実では1028年に夏国王(西平王)李徳明に立太子され、正しくは王太子である。
などなど。
こういうところ一度気になると、やっぱり途中でシラけてしまうというか何と言うか。
もうちょっと何とかならなかったのかなぁ。
原作は読んでませんが原作が間違ってたのかなぁ。
良い出来なのに非常に残念。