おばけシューター

ソドムの市のおばけシューターのレビュー・感想・評価

ソドムの市(1975年製作の映画)
2.9
歴史に残る問題作としてタイトルだけがやたら引用されているのをよく見るが、内容については知らなかった。
結局上映禁止になったとか、監督が極右に暗殺されたりとか、日本で猟奇殺人を起こした犯人が本作に影響されたとか取り巻く話からして穏やかじゃないが、本編を観て納得した。社会批判にしても、ほどがあるだろ〜

権力者によって集められた少年少女が、彼らの命令によって同性愛を強要されたり排泄物を食べさせられたり、果ては頭皮を剥がされたりされ、大人たちはそれを見て喜んでいるというシークエンスが、意味不明なセレモニーや冗長な会話の間に挿入されており、全体に何とも言えない不安定さがあった。
イタリア内での地域格差や飽食社会への批判という事らしいが、企画当初はポルノ映画の予定だったことからも(少なくとも監督以外に)そんな高尚な目的意識があるようには思えず、ひたすらショッキングな作品を作る試みだったのではと訝しんでしまう。(仮にそうなら、その試みは成功している)