ベビーパウダー山崎

凶銃ルガーP08のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

凶銃ルガーP08(1994年製作の映画)
2.5
『ザ・キラー』から、なんとなく繋がるかなと思って見たが、全然違った。劇画調の和製『タクシードライバー』。結局は『その男、凶暴につき』と同じような流れになるが、ヤク中の妹でもなんでも皆殺しにした、たけしはやはり凄いよなあとか、ぼんやり見ながらたけし映画について考えていたり。大杉漣がやり過ぎの知恵遅れ乞食芝居。ほんとこの時代特有の悪趣味サブカルって感じ。
阿部ちゃんは不器用で真面目。狂気を演じてくださいと言われれば疑いもせずに何でも全力。身体はデカいけど子犬のような役者。『笑っていいとも』に来るたびに、タモリがお気に入りの阿部ちゃんの逞しい身体をベタベタとエロく触っていたイメージしかない。
銃を構える壁の落書きに重ねて銃を撃つ画とか、こういったのを格好良いと思っている作り手のセンス。俺にはまったく理解できない。90年代の病んだニッポンを体現しているような三浦綾音映画祭を今こそやるしかない。