国王の死後、白雪姫の継母は、娘を部屋に閉じ込めて世間知らずに育て、自ら「おとぎの国」の女王となって、贅沢三昧の暮らしをしていた。
ある日、白雪姫は女王の目を盗んで城の外に出てみると、そこにいたのは飢えに苦しむたくさんの人々。
「国民を救わなくては」と、白雪姫は立ち上がった。
ジュリア・ロバーツが初の悪役に挑んだ、女王様の視点で描いた『白雪姫』。
と言っても、全部が全部女王様視点ではありませんが。
思ったよりファンタジックでディズニーっぽい雰囲気もあって面白かったです。
内容はコメディータッチで違和感を感じる人もいるかもしれませんが、実によくできた映画。
子供から大人まで楽しめるし、女王の意地悪さ加減、白雪姫の美しさ、そしておまぬけな王子と設定も絶妙です。
わりと気合の入ったビジュアル・エフェクト+しっかりした俳優陣の魅せる演技+コミカルな筋立て、という狙い通りには仕上がっているように思いました。
白雪姫が王子様に頼らず、自分で道を切り開いていく。
現代女性を表しているような気がする。
ヒロインのリリー・コリンズ、若々しくて、好ましい女優さん。
ただ、妙に眉毛が太かったのが気になった。
しかし物語が進むにつれて、どんどん可愛くて魅力的に見えてくるのです。
眉毛に目がいきがちだけど、目鼻立ちは整ってるのと、監督の腕が良いからなのかも。
ラストに歌って踊ってるリリーを見てフィル・コリンズの娘だっけ?と思い出しました。(歌もやっぱり上手)
この白雪姫が普通に白雪姫を演じたらさぞ退屈な映画だっただろうなぁ、と思いつつ、現代風にヒネってある部分が、これだけ整っているからこそ効いたな、と言った感じでした。
ただ、ヒネり方がコメディ丸出しなので、その分感動からは遠のいたけど、それはそれでご愛敬。
ジュリア・ロバーツ扮する女王も、必死にアンチエイジングしてるイタさ溢れる怪演を見せている。
七人の小人達も、それぞれとてもチャーミングに描かれてて良かった。
ちなみに、小人役はリアル小人役者でした。
ほめ言葉として「くっだらない娯楽映画として最高に面白かった」という感想。
何も考えずに、ぼけーっと口を開けて観れる作品です。
小難しいことを考えたくないときや、すっきりしたいときにおすすめ。
最後に、この作品の衣装が「石岡瑛子さん」の遺作となってしまった事は非常に残念で、心からご冥福をお祈りしたいと思います。