スティーブン・キングを原作としたホラー映画、恐ろしくも切ない物語。
医者であるルイスは家族と共に郊外へと引っ越し、そこで幸せな家庭を築くはずでしたが、不慮の事故により息子のゲイジを亡くしてしまいます。
息子の死を受け入れられないルイスは、埋葬すると死んだ者が蘇るという墓地にゲイジを埋葬するのですが、生き返ったゲイジは生前とは全く別の人間へと変わり果てていました。
物語の大筋はザックリこんな感じです。ここまで聴けばなんとなく結末は予想できると思いますが、どうしようもなく救いようのないラストになっております。
面白いのがルイスの職業が医者である点なんですよね。誰よりも「死」というものを理解しているはずなのに、埋葬すれば蘇るなどという突拍子もなく非科学的なものをすんなり受け入れちゃうんですから。
それほど自分が愛する人間が死ぬというのは耐え難いもので、どんな手段を使ってでももう一度会いたいと思うものなんですね。それが人としての弱さであり、愚かさでもあるんです。
本作はそういった人間の本質というものを上手く描いています。「死ぬ」ということがなんなんのか、分かっているけど、分かりたくない。そういった人間の理屈ではどうにもならない部分がある。
でももし自分が当事者ならどのような選択をするでしょうか。例え生前とは異質なものになっていようと、会いたいと思うものではないでしょうか。
人を人たらしめるもの。「死」とはなんなのかを深く考えさせてくれる作品です。