2004年にデル・トロが実写化したもののリブート版ということだが、近年のハリウッドはやけにリブートやリメイクものが多く、その多くがオリジナルを超えるどころかシリーズの質を落としている。
今作はそこまではないものの、デル・トロ版には及ばない結果となった。
デル・トロ版のヘルボーイはどちらかと言うとファンタジー色が強く、単なる悪魔的ヒーローに留まっていない。
アクションシーンを削ることによって、ヒューマンドラマの描写を増やし、ヘルボーイを単なる魔物ではなく、どこか人間性がある愛らしいキャラへと昇華させている。
一方で今作はというと大半がアクションシーンで、軽快なポップミュージックと共に血みどろシーンを永遠と見せつけられる。
グロ描写に軽快なBGMを合わせるという手法はこれまで幾度となく用いられ、その例として「ウォッチメン」や「デッドプール」がある。
これらの作品はアクションシーンのみならず、キャラやストーリー性をしっかり描写されているから許容できるものであって、ただ単にアクションシーンを永遠と見せられていても、もはや新鮮味はなく中盤辺りで飽きがきてしまう。
露骨に続編の伏線を張っていたが、本国の興行収入が悲惨だったのでおそらくヘルボーイはこれで見納めだろう。