気づけば汚いバスルーム、足には鋼鉄の鎖、部屋の対角線上には知らない男、部屋の中央には自殺死体、握っているのはテープレコーダーと銃。
何が起きた。
廃墟のバスルームに足枷をはめられた二人の苦悩と選択を描いたスリラー。
もの凄い映画でした。
経験も予算も日程も限られてたのに、ココまで人を魅了スルものを作った彼等を尊敬します。
効果音や映像で怖がらせるのではなく、徐々に精神的ダメージを与えていく。
「相手を殺すか、自分が死ぬか」の選択をしなければならない二人の心の葛藤や、犯人の計算高さ、犯人を追う元刑事の執念などが複雑に絡み合う、最後まで気が抜けない構成になっている。
1時間40分ながらあまり余分なシーンが少なく、ずっと映像に釘付けでした。
ダレる事なく最後まで息つく暇も無い展開、様々な伏線が張ってあり先を予想させておきながら裏切る意地の悪さ、低予算で作られたとは思えない面白さです。
ただ、鑑賞後はなんともいえぬ不快感が残る。
製作者の意図らしいけれど、体調が悪い時や、精神的に落ち込んでいる時はやめた方がいいかも。
ちなみに、刑事が出てくる映画には必ずといっていいほど、中年の渋味をみせてくれる黒人刑事があらわれてそこそこの活躍を見せてくれますが、この映画ではズッコケ丸出しです。
あまり期待はしないほうがいいでしょう。