今ではやや方向性がかわったソウシリーズだけど、この最初の作品こそが原点であり(当たり前やけど)、そしてシリーズ最高の出来だと思う。
圧倒的に情報量が少ない中で圧倒的に異様な密室。見える中で周囲や相手への不信感を募らせる中、実はそれすらこれから始まるゲームの1つのパーツでしかない。いったいどういう状況かもわからないまま、ゲームと指示が続く。
見る者へも情報量を抑え、そして恐怖や不安のストレスを与え続けることで、見事に観客までも舞台に引き入れる事に成功している。そして没入すればするほど、ラストの展開に驚き、おののき、恐怖と興奮を覚える。
ラストはよくあるどんでん返し、などではない。明らかにこれまでのラストとは異質で、独特で、驚愕する。それまでの展開、流れは全てがこのラストのためにある、とも思えるほど。
単なる痛い映画、になる前のこの良い作品は映画ファンであれば観ておきたいものと言える。
