しゅん

アイアン・ホースのしゅんのレビュー・感想・評価

アイアン・ホース(1924年製作の映画)
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以前、ハワード・ホークス『赤い河』の馬の群れに強く感銘を受けたのだけど、フォードのオマージュだったのか。『天国の門』の回転する敵に囲まれての銃撃戦もこちらが先達(最高!)。アメリカン・イデオロギーとインディアン(とあえて言ったほうがいい気がする)差別全開で最初しんどかったが、中盤~後半はひたすら面白い。大陸横断鉄道敷設の史実を神話に変えていく、蒸気機関のごとき推進力。敵が商人とインディアン部族の間を暗躍する男というすごい設定(そんな交渉力があればもっと別のことに使ってよ!)なのも含め無理はあるし、思想的に『国民の創生』との繋がりは確実にあるのだが、それら難点をすべて上回るパワー。馬から列車に乗り換える危険な躍動感も、敵と味方が微妙なかたちで接するストーリーテリングのスリリングも侮れない。良くも悪くもThis is America.

冒頭、冬の牧場での人物と木の関係がなんかよかった。いきなり現れたおっさん、リンカーンだったのかよ!
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