1日しか記憶が持たない女の子と仲良くなろうとする話。設定から小川洋子の「博士の愛した数式」を思い出した。すごくよくできている。個人的には去年ハワイに行った時に「ここは夏休みが永遠に続いているみたいだ」と思ったので、ルーシーが永遠の日曜日の中で生きているという設定と常夏のハワイという舞台が妙にマッチした。
「永遠に続く日曜日」というところから「恋はデジャ・ブ」を想起することができるが、そう、この映画は広義のループものでもあるのだ。彼女の記憶がリセットされるか、世界そのものがリセットされるか、2つのあいだの違いはそこにしかない。そう考えるとこの映画は、ループを脱出することはできないが(ルーシーが障害を克服することはできないが)、自分がループの中にいることをメタレベルから認識して昨日とは違う一日を過ごすというなんかすごい結末になっていて、そこに感動した。
朝目覚めたルーシーは、”GOOD MORNING ”とラベルの貼られたビデオを見て自分が毎日記憶を失っていることを確認する。部屋を出るとそこはハワイではなく寒そうな洋上で、見知らぬ自分の子どもが駆け寄ってくる。この時、我々はルーシーと全く同じ驚きを感じる。「メメント」と同じぐらい面白くて、でも「メメント」よりもほっこりする映画だった。