常に新しいものを追求する映画界で、あえて一昔前の手法で挑んだ本作。
いやはや素晴らしいの一言に尽きる。
現代でも充分すぎるほど通用します。
自称洋画好きと言わせていただいてる僕は、恥ずかしながらサイレントが主流の時代の作品を全くと言っていいほど観れていません。
ごめんなさい完全にぶちのめされました。
特に30分あたりのシーンにやられた。
長すぎず短すぎずなタイミングであのシーンをもってくるのには感服。完璧なタイミングです。
現在、映像に音が付いているのが普通な世の中。
音があることについて何の疑問も持たない。それが普通。
むしろ音がないと不安に感じてしまう。
そんな現在でサイレント映画を撮ってしまうチャレンジ精神がお見事。
何故音がないのにこれほどまで感情が伝わってくるのか。
何故ここまで見入ってしまうのか。
開始数分でこの世界観に魅せられてしまいました。
観客と役者だけでも映画は成り立つものだったなんて知らなかった。
声がなくても役者たちの喜怒哀楽がこんなに感じられるなんて知らなかった。
そして音がなくてもここまで感動できるだなんて知らなかった。
映画というもの自体知っているようで知らなかった。
だからこそもっと映画というものが好きになって、もっと映画というものを知りたくなってしまった。
今までも何よりも好きだったけど、更に好きになってしまった。
これからは時代問わず様々な作品を観ていきたい。
この時代にこの作品を作ってくれた製作陣の方々に本当に感謝。
自分にとって大変価値のある作品になりました。