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クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁のRのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2010年の日本の作品。

監督は「クレヨンしんちゃん オタケベ!カスカベ野生王国」のしぎのあきら。

あらすじ

ある日、公園で遊んでいたしんのすけたちのもとに、タイムマシンで時空を超えてやってきた女性、タミコが現れる。未来からやってきたしんのすけの花嫁だと名乗り、未来のしんのすけが未来都市・ネオトキオの支配者、金有増蔵に捕らえられてしまい、彼を助けるために5歳のしんのすけの力が必要で助けて欲しいと語るタミコと共にしんのすけたちは未来の春日部にタイムスリップする。

Netflixにて。

劇場版「クレヨンしんちゃん」シリーズ第18作目にして、原作者臼井儀人没後初の劇場版となる。ということでエンドロールの最後には臼井さんに対する感謝のメッセージが掲げられている。そっか、この時だったのか…。

でお話なんだけど、結構今作思い切った設定をぶち込んできており、まずはなんといっても今回、未来のしんのすけのお嫁さん、タミコが登場してしまう。初めて予告を観た時は目を疑った、だってこういう国民的アニメの劇場版において、主要人物のフィアンセが出て、しかもそれがしんちゃんが相手だなんて!

で、なんだろ?このキャラは可愛いのかな?しんちゃんがデレる「お姉さん」の感じとはまた異なるティーンガールって感じがして、ネオトキオファッションに一本結びした髪型が奇抜なんだけど、内面性はtheヒロインって感じ。

個人的にはこういう大事な役割を担うキャラはもっと印象的出会って欲しかったんだけど…。

他にも、どうやら初の未来設定が舞台とあって、しんちゃん含めてカスカベ防衛隊やひろし、みさえ、ひまわり、シロが未来の姿となって登場。

マサオくんはコンビニ勤め、ネネちゃんが保育園職員として出戻りしたのに対して、風間くんは金有電気のNo.2、ボーちゃんは研究者となっていて、割と「差」がはっきり出ている感じなんだけど(まぁ、どちら側が良いとかそういう問題じゃないんだけど、劇中でまさおくん、ネネちゃんが落胆する辺り、そう思わせる感じがして、ちゃっと…。)。

また、ひろしはハゲてて、みさえは太ってる感じもまたリアルで、ただ基本優しい2人、ちゃんと過去のしんちゃん以外の防衛隊の面々も受け入れて、寝食を提供して、ちゃんと好々爺してる感じが微笑ましい。

特に過去のしんちゃんを懐かしがって、ほっぺたをムニムニするくだりは、あぁそうかこの時代の2人にとってのしんちゃんはもう過去の存在でいなかったんだなぁと思うとちょっと切なかったり。

面白かったのが、シロは犬の寿命を考えるにとっくに亡くなってると思いきや、無数のシロJr.となって暮らしていて、こっちはちゃんとやることやってるんだなぁ。この設定にすることでオリジナルシロが亡くなってるかどうかわかんない感じにしてるところは何気に上手い。

で、過去の「ホラー回」でちょっと成長した姿で出てきてるんじゃないかと噂されていたひまわりはぶっ飛んだ登場シーンでエキセントリックな印象なんだけど、なんというか正当に成長した感じをだしつつ、ちゃんとひまわりのチャームであるぐるぐる髪のなごりもあって、良かった。まぁ、八重歯を出してるあたり、監督の色が出ちゃってるけど笑。

そんな感じで未来の面々の悲喜交交を楽しみつつ、お話としては未来という舞台ながら、タイムスリップして、未来の面々訪問→野原宅に一泊→金有電気突入と割とコンパクトに収めてる。

ラスボスも過去の敵キャラと比べると一企業の悪い親父キャラで、故内海賢二が重厚ボイスで吹き替えているので、流石の「格」はあるんだけど、まぁキャラとしてはしょぼいかなぁ。

ただ、実の娘タミコとの和解があると思いきや、最後まで娘のことを「道具」にしか感じていない部分は敵キャラらしくて良かった…のかなぁ?やっぱ和解はあってよかったと思うけど。

ただ、その際ひろしが「実の子に死ねって言う祖がどこにいる!親は子どもに生き抜けって言うんだろうが!」という名台詞を聞くことが出来たので、ひろしとの対比という部分では良かったと思うけど。

で、やはり最大の注目ポイントは未来のしんのすけ。ここのある種最大の「落とし所」には注目してたんだけど、そのほとんどはアクション仮面姿で(なぜアクション仮面なのかはわからない)、しかも、仮面をとっても光がさして最後まで顔が分からずじまいという、なるほど誤魔化す感じね。

これにより、テレビアニメとの差異も上手く誤魔化すことができる…とは思うんだけど、でもさ、だったらなんでこんな思い切った設定持ってきたの?って感じ。これだったら、あんまり未来のしんのすけである必要性ないんじゃないかな?5歳のしんのすけの力が必要っていうのもなんかあんまりよくわかんなかったし。

やっぱそこは言うても観る側が一番期待してるところだとと思うし、逃げずにちゃんと描いて欲しかったなぁ…。

あと、花嫁(希望)軍団は今のご時世だと、吹き替えが女性芸人だったり、その設定含めて結構炎上しそうなキャラクターだよなと思った。

という感じでかなり攻めた内容ながら、その看板に見合わないごまかしが目立ち、やっぱこういう内容の作品やるにはよっぽどクレしんのことを理解してるか、またはちゃんと風呂敷を畳める監督じゃないとだめなんだろうなぁと思った作品でした。

まぁ、今流行りのマルチバースだと脳内変換すればアリなのか…な?
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