円柱野郎

シャッター アイランドの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

シャッター アイランド(2009年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

この手の映画は先入観を持たずに観るのが正しい。
しかし残念なことに、日本においてこの映画の宣伝は「どんでん返しがありますよ」と身構えさせるものであり、そう思って観ると、なんと開始5分で真相に気付いてしまう。
実際、序盤から伏線描写は多々あるので、勘のいい人であればそんな宣伝が無くてもすぐに気付くかもしれないけど、さすがに最初から予想通りの真相に突き進むと面白さは感じない。
ラストの台詞こそ意味深で色々と考えさせられる部分もあるが、それだけでは…。

監督はマーティン・スコセッシ。
暗く湿った雰囲気は良いのだけど、監督らしいバイオレンス風味はあまり無く、スコセッシでなくても…と思わなくもない。
が、4度目となるスコセッシとディカプリオのタッグは安定感を感じるし、ベン・キングズレーのようなその他の実力派俳優達にしても、その真相に裏付けられたキャラ達の微妙な“演技”はさすがに上手いと思う部分もあった。

自然現象が状況に関わってくる描写などは展開として強引さを感じる部分もあるけど、不可解な描写には不可解さなりの意味があるという点で総じて上手く纏まっているとは思う。
だけどそれは振り返って「そうだったか」と納得する類の作品であって、身構えてみるべきものではない、と思う。
円柱野郎

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