ぼぶ

シャッター アイランドのぼぶのレビュー・感想・評価

シャッター アイランド(2009年製作の映画)
4.1
フェリーでしか行けない断崖絶壁に囲まれた孤島にある精神病院兼刑務所で、脱走事件が起きたため、連邦保安官のレオ様らが訪れて捜査するんだけど、なんだかこの施設怪しい…嵐が来ちゃって一晩帰れないぞ…みたいな、お話。

みんなが言うように、中盤くらいで大枠のオチは読めてくるんだけど、最後の爆裂伏線回収で、どちらの話も上手にそして丁寧に要素を取り入れたものになっているので、わりとスッキリするし、切ない。
大どんでん返し!!!って煽るには、類似作品もあるのでアレだが、映画としてすごく面白く、画力もあるので、もう一度観たくなるはず。

随所で「ん?」となる会話やシーン(例えばドロレスを灰の雨の中で抱くシーンは美しくてとても切なく印象的で大好きなのだが…濡れてるのはホース放水として血?とか)、フェリーや車での移動中の背景が雑な合成なところ、C棟がとにかくヤバいところだというカメラワーク、フラッシュバックを感じさせる光、なとなど芸が細かい。

あと、ダッハウ収容所解放の夜の、山積みの死体の脇を通りなおす時の音楽が、恐怖や不安や悲しみを盛り込んでいて、いつキャン!って鳴るかハラハラして最高だった。

そして最後のシーン、最後のセリフと視線。これは物議をかもすだろう。笑
でも個人的には、正気なんだけどそちらを選んだ(何故なら本当の本当に受け入れたし、自分で判断したいから)ということなのかな、と思っている。

ネクタイの趣味はワンピースの趣味で察してあげないと、しゃーない!って思いながらも、切ない一作。
煙草がうまそうだ。
ぼぶ

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