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アメリカン・ヒストリーXの10000lyfhのレビュー・感想・評価

アメリカン・ヒストリーX(1998年製作の映画)
3.5
ネオナチに傾倒の後、刑務所で人種差別思想を改めるに至った米国白人男性を主人公に、差別思想や憎悪がどのように生まれ、それらが何をもたらすのかを描いた作品。序盤で、父を黒人に殺されたことが憎悪の原因とされるが、終盤で、その父から差別思想を植えつけられていた、とも。「君のしたこと(怒り)は君を幸せにしたか?」と問われて泣き出す主人公の姿、語るものは大きい。テレビ窃盗の黒人の刑期が 6年でヘイトクライムプラス殺人の白人主人公の刑期が 3年など、システミックレイシズムもさりげなく描写される。暴力描写が凄惨で観るのにキツさを伴うが、多くを学べる映画だ。差別思想の饒舌トーク、殺人後の狂気スマイル、出所後の豹変した誠実さ実直さまで、エドワードノートンの演技が素晴らしい。モノクロの過去とカラーの現在が交錯し物語が進み(メメントに後継される)、出所してきた彼の変貌ぶりに周囲/オーディエンスを戸惑わせて、刑務所内での経緯が明かされる、という流れが効果的
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