みどな

ハンニバルのみどなのネタバレレビュー・内容・結末

ハンニバル(2001年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

サイコスリラー。

前作より10年後。
自由を謳歌したいレクター博士(アンソニー・ホプキンス)、
復習の末に彼を殺したい、かつての被害者メイスン(ゲイリー・オールドマン)、
FBIとして犯罪者を逮捕したいクラリス(ジュリアン・ムーア)。

前作では、精神病院の牢から間接的にFBIに協力していたレクター博士だが、今作では直接手をかけ、相手を死に追いやっていく。
それは自身のために、時には「愛する」クラリスのために。

彼の行う殺害方法には規則がある。
それは「美しさ」。彼の美徳に反するものゆえ。
パッツィ捜査官(ジャンカルロ・ジャンニーニ)のハラワタを出したのも、「メディチ家暗殺に失敗した祖先と同じ」ようになぞらえたもの。
クレンドラー(レイ・リオッタ)の脳を食させたのも、前頭葉が使われていないと判断したため(思考や自発性が欠けている)。

また、クラリスを傷つけるつもりは最初からなかったのだろう。
レクター博士にとって、クラリスはこの世の「最後の宝石」。
「愛」とか「恋」なんていうチープな言葉で片付けてはいけないような
「大切なもの」。

前作ではレクター博士の圧倒的な「カリスマ性」で
見ている側はぐっと引き込まれたが、
今作ではレクター博士の「残忍」な一面ばかりが目立つ。

何かを成し遂げたいわけではない。
彼が求めるのは「平穏」。その弊害を取り除いているだけ。
みどな

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