このレビューはネタバレを含みます
ドラマ。
2014年のフランス映画「エール!」の英語リメイク。
コーダ…Children of Deaf Adult/s（きこえにくい親をもつきこえる子どものこと）
本作のキャスティングは実際の聴覚障害者の俳優が起用されており、実際の彼らの第一言語での演技を観ることができる。
聴覚障害者の両親と兄を持つルビー（エミリア・ジョーンズ）。
幼い頃より家業の手伝いや「通訳」を行い、サポートをしてきた。
「家族のための自分」、「未来のための自分」。
子供から大人になる「人生のターニングポイント」をとても優しく描く。
「家族のサポート」といえば聞こえはいいが、
実際はただの「家族にとっての便利でお金のいらない通訳」。
「聞こえない」ことが共通認識である「家族」にとって、
「音」の価値は無いに等しい。（＝ルビーが少数派）
それは「自分の未来」を選びたいルビーにとって、
「家族」という信頼関係が生む弊害になってしまう。
「聴覚障害者」にとっての「音楽」とはどういうものなのか、
「コーダ」とはどういう存在なのか、
はたまた知人にそういう存在がいる「コミュニティ」の距離間など
世間一般で言う「普通」の人々が想像もできない「リアル」。
「わからない」ことを「理解」しようとする家族の姿はとても素敵で、
それに惜しみなくサポートするルビーもまた、優しくかっこいい
「愛」の溢れる行動だと思う。
