ほーりー

ハーヴェイのほーりーのレビュー・感想・評価

ハーヴェイ(1950年製作の映画)
3.8
この映画も盤指定があります。ユニヴァーサルから発売しているDVD盤の字幕が読みにくいので、同じユニヴァーサルでも後発のBlu-ray盤がオススメ。

普通の人には見えない身長1メーター91センチの大ウサギのハーヴェイと彼が唯一見える不思議な男の心暖まる物語。

元はジェームズ・スチュワート主演(初演の時は別の役者さんだったそうな)のヒット舞台劇。

莫大な財産を継いで悠々自適の生活を送る男エルウッド(演:ジェームズ・スチュワート)にはハーヴェイという名の不思議な友人がいた。

ハーヴェイはエルウッドにしか姿が見えない巨大なウサギで、エルウッドはいつもハーヴェイを連れては呑気に酒場に繰り出し、そして色々な人に彼のことを紹介する始末。

だから町の人は心の中で「あ……この人ヤバい人だ💦」と思ってそそくさ逃げてしまい、彼と同居している姉(演:ジョセフィン・ハル)とその娘はいつも肩身の狭い思いをしていた。

ある日、エルウッドのいない間に姉は上流階級のご婦人を招いたお茶会を開くが、途中でエルウッドが帰ってきて、彼のことを気味悪がった客たちはみんな慌てて逃げてしまう。

頭を抱えた姉はついに彼を精神病院に入院させようとするが……。

元が舞台劇のせいか場所もエルウッドの自宅、酒場、精神病院だけで展開するストーリーで、あまり映画を観たという感じがしないものの、いつの間にか忘れていた無垢な気持ちを再び起こさせるような作品で好感がもてる。

こういう浮世離れした善人を演じるにあたり、ジェームズ・スチュワートという役者は本当にうってつけだと思う。

「夜も更けるにつれ……ちょっと待って。今の表現素敵じゃないですか?もう一度言わせて下さい。夜も更け……」

ジェシー・ホワイト扮する乱暴な病院職員同様、心の余裕がない人だったら「てめぇふざけんな💢」とブチっと切れるようなことを平然と喋るスチュワートに思わず笑ってしまう。

またこの見えない巨大ウサギを特撮を一切使わずに撮っているのがミソで、ただ単にスチュワートの頭がおかしいのか、それとも本当に大ウサギがいるのかがわからないところが後半に活きてくる。

さて一応報告がありまして、今月はこの後仕事で海外出張が続くため映画レビューはここで小休止。
また9月頃に再開いたしますです。ではでは。

■映画 DATA==========================
監督:ヘンリー・コスター
脚本:メアリー・チェイス/オスカー・ブロドニー/マイルズ・コノリー
製作:ジョン・ベック
音楽:フランク・スキナー
撮影:ウィリアム・ダニエルズ
公開:1950年10月13日(米)/1952年2月22日(日)
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