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悪魔の往く町のGijoeGoのレビュー・感想・評価

悪魔の往く町(1947年製作の映画)
3.6
ナイトメア・アリーを鑑賞後にこちらも鑑賞。

同じ原作なので大筋は同じだがこちらはかなり大雑把な感じで進行する印象。

デルトロ版は逆にその部分を補足するかの様に丁寧に描写する印象。
美術や撮り方もラストを示唆する丁寧設計。

それぞれの良さがあって面白かった。

本作は若干マイルドなタッチで主演のタイロン・パワーのスターぶりが堪能出来る。
モリー役の人はこちらの方が好みかも。
2人の仲も比較的良好でラストも救われるソフトな着地に見えた。

実際そこまで罪深い事はしてないから読後感はあっさりしてる。

デルトロ版の因果応報的な突き放し方とは違うので多少刺激という点では物足りない。

さすがにセットや衣装の規模はデルトロ版と比べるとチープではあるが見世物小屋の猥雑感や千里眼ショーの豪華な舞台は見事。

何より原作の書かれた年代に近いので空気感がリアル。

読心術のネタバラシもやってるしヘイズコードギリギリの所を攻めたり、何より主演タイロン・パワーの成り上がりからの転落ぶりが同じ人に見えないくらいの演技。

ピートの酒に溺れながらも決めるところは決める演技も良かった。

白黒ゆえにライティングの妙も良かった。
これがフィルムノワールの世界観か!
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