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メン・イン・ブラックのろのレビュー・感想・評価

メン・イン・ブラック(1997年製作の映画)
5.0

「君の名は”名もない男”。社会から離脱し、それを超えた次元の存在になる。全人類の黒幕。それがメン・イン・ブラックだ」

夜のハイウェイを飛ぶ一匹の虫。
フロントガラスにぶつかって潰れるところから映画が始まる。
てっきり2000年代の映画だと思っていたら97年だったし、しかも音楽はダニーエルフマン!総指揮はスピルバーグ!
今まで気付かなかったことに気付くってそれだけでほんとに楽しい。そしてその楽しさのために何度も観たくなる。それも映画の醍醐味かもしれないなと思いました。

地球に亡命してきた難民を受け入れることで始まった宇宙外交。
現在マンハッタンで暮らすエイリアンは約1500人。
MIB(メン・イン・ブラック)は彼らの出入国を管理し、時には出産まで手伝う。長年エイリアンの生活をサポートしてきたトップシークレットの組織だ。
しかしエージェントたちも高齢化。そこで後継者候補として名前が挙がったのがニューヨーク市警のエドワード刑事だった。

エドワードは陸海空軍のエリートたちとともに採用試験を受ける。
「何のために呼ばれたんだ?」と尋ねるエドワードに対し、「自分がエリート中のエリートだからだ」と得意げな将校。
筆記試験ではエドワード一人が機転を利かせて問題を解き、射撃テストでは皆がエイリアンの看板を撃つ中、彼は小さな女の子に照準を合わせる。
「よく見れば看板にぶら下がってるエイリアンは懸垂してるだけだ。手前のやつはくしゃみして鼻をかんでいるだけ。この中で一番危険なのは、エイリアンがうろつく街を夜中に一人で歩く女の子。手には物理の本を持っているし、何か企んでいるに違いない」

人間の頭がパカッと開くと、そこには小さな小さなエイリアン。
一見イケてない中古車には007も真っ青のハイテク装置。
豆鉄砲サイズの銃だけど、引き金を引いた人まで吹き飛ばすほどの威力を持つ。
銀河というからものすごく大きいのかと思いきや、まさかのスーパーボールサイズ。
こちらの思い込みや先入観をスパスパと切っていく。そんな小さなどんでん返しが楽しい。

死んだ人間の皮を被り、ゾンビみたいにギクシャク動くゴキブリエイリアンのバグ。いくらサイズがデカくてもやっぱり殺虫スプレーは苦手だし、親戚たち(?)を踏み潰されたらたまらない。
「おっと、ワルでも身内は大切にするもんなんだな。こいつはおまえのおばさんか?こっちはおじさんだったか?」とからかい半分に、ゴキブリを次々踏み潰していくウィル・スミスが最高にアメリカンでめちゃくちゃ笑った。
金ローの吹替もいいけど、字幕もすごく楽しかったな。
ろ