映画大好きザウルスくん

ダブルチームの映画大好きザウルスくんのレビュー・感想・評価

ダブルチーム(1997年製作の映画)
3.5
☆再鑑賞☆
ストーリーの捻りの無さやアクションシーンの軽さなど基本的にはいつも通りのヴァンダム映画が基盤になっていて、ゲスト悪役がミッキー・ロークというだけでも少し豪華めな本作なのですが、ヴァンダムのコンビ役として超現実的なキャラクターのデニス・ロッドマンが加わったことにより明らかに他のアクション映画とは一線を画した独特な磁場が発生した作品に仕上がっていました…!笑

染め直す時間の無い状況下でも少し場面が変わるごとに別の色にチェンジしていくロッドマンのド派手な髪色!会話の合間に高頻度で挟まれるバスケネタの数々!武器商人である彼にとって完全にノーリターンであるヴァンダムの妻と赤子の救出作戦にノリノリで参加してくれる人の良さ!そして当然ダメージは一切受けない完全なる無双!あまり現実感を重視していないヴァンダム作品と言えども、ここまで現実感が無さすぎるキャラクターが出てくるのは初めてだったのでは?物語的にも完全にただの助っ人でしかなく本流であるヴァンダムとロークの対決にほとんど干渉しないところも含めて、完全に異次元の存在と化していました…笑

しかし逆を言えば、そんなロッドマンの存在があったとしてもちゃんと作品として成立するくらいにアクションシーンや物語設定が充実していて、冒頭から遊園地と病院内で繰り広げられる銃撃戦(ここでの病院のシーンは『ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌』を少し連想させるのでやはりツイ・ハークはジョン・ウーのことが頭から離れないのかなぁ〜なんて思ったり)やヴァンダムの肉体美を堪能させた上での大脱出シークエンスなど見どころも多く、登場する敵もカバン型の機関銃を持っていたり『007/ロシアより愛を込めて』のような足先からナイフを出す敵(今回は靴に仕込んであるのではなく足の指で挟む方式)が現れてカンフーファイトを繰り広げたり、何かとバラエティに富んでいてずっと観客を楽しませ続けてくれました👍

ヴァンダムとロークの対立も実は両者とも似通った信念を持っていたのに決定的な対立が生まれてしまう展開が手際良く描かれているし、ラストバトルもただの2VS1の殴り合いではなく武器商人であるロッドマンがいたからこそヴァンダム側が勝利できるという展開に説得力があったし、そこにトラやぬいぐるみなどの隠し味も効いていてとても出来が良かったと思います👏

あれだけ超現実的なロッドマンを出しておきながら珍作にならなかったのは奇跡としか言いようがありません!随所にヴァンダムらしさも散りばめられているのでヴァンダム映画としてもかなりオススメの1作です🙌✨