映画大好きザウルスくん

ウェズリー・スナイプス ハード・ラックの映画大好きザウルスくんのレビュー・感想・評価

2.5
元ギャングのスナイプスは更生を誓ったが不運にも武器密売、潜入捜査、変態猟奇殺人が絡む面倒な事件に巻き込まれてしまう…。恐らくスナイプス主演作の中では最もクセが強いであろう珍妙コメディアクション映画です🙌

かなり大きく分類したら『パルプ・フィクション』的な多人数のある1日が絡み合っていく物語と言えます。この場合出てくる各キャラクターのインパクトが強ければ強いほど作品の満足度が上がると思うのですが、人種は多種多様だったもののキャラ造形としてはサディスト変態猟奇殺人犯カップルのキモさが強烈すぎたためにスナイプスやヒロイン、格闘家カップルや刑事たちのインパクトがかなり薄いものとなっていました。と言うか格闘家カップルと刑事に関してはそこまで深掘りもされないため、実質スナイプス&ヒロインのコンビと殺人犯カップルの2組の話を見ている感じでした(未公開シーンを見たところ格闘家カップルを深掘りするシーンが本編からかなり削られていたようなので、監督的にもこの本編のバランスの悪さは不本意だったのかもしれません)。

あと個人的に驚いたのはヒロインの裸がちゃんとエロく描写されていたことです。ヴァンダム映画だったら何とも思わないのですが、スナイプス映画でヒロインの胸も尻もガッツリ写るのは珍しいし、それをかなり序盤でやっていたことにも驚きました。しかし、そのヒロインとスナイプスは2人で長らく逃亡して仲を深め合ったにも関わらずセックスはしません!この辺りは流石ヴァンダムやドルフとは一線を画す番長の奥手さと言えるでしょう😌

その他、随所で繰り広げられる会話劇や小ネタは幼稚な下ネタ(例えばヒロインが車内でオナラしてスナイプスと言い合いになるとかそんなレベル)が多かったり、そこそこ凝って色々試したであろう編集はそんなに効果的に感じられなかったりと、特別上手くいっている作品だとは思わなかったのですがスナイプス作品の中では異色だったためインパクトは強かったです。でもやっぱり個人的には『デトネーター』のようなオーソドックスなB級アクション映画が好きなので、スナイプスの暴れっぷりがあまり描かれない本作は期待外れな部類だと言えそうです…🥺