映画大好きザウルスくん

ウェズリー・スナイプス ザ・シューターの映画大好きザウルスくんのレビュー・感想・評価

3.1
引退した凄腕スナイパーのスナイプスはもう1度だけCIAの依頼を引き受けることにしたが、思いもよらぬ陰謀に巻き込まれてしまう…。狙撃は冒頭のみで、後は『レオン』のようなヒットマンと少女の心温まる交流が話の基軸になりました🙌

冒頭の狙撃シーンはそこそこ良くできていたし、すぐにカーチェイスに移行する流れもテンポ良くてかなり好印象!かと思いきやその後の展開はだいぶ失速ぎみ…。スナイプスは『追跡者』や『アート・オブ・ウォー』でも凄腕工作員が追われる側になるという本作と全く同じ設定の役を演じてきましたが、それら過去作では何とか身の潔白を証明しようとすぐに反撃する姿勢を見せていました。ところが本作では大して足掻きもせずに初めから逃げようとしていたのです。もちろんこれは少女との交流を描くための仕方がない展開だったのでしょうが、戦意の無い番長なんて番長とは呼べませんからね。大変不満に感じました(そう言えば監督のジョセフ・ラスナックは本作の後に作った『アート・オブ・ウォー2』でも番長をヘッポコに描いていたなぁ…)🙁

ですが、そこまでして時間を割いた少女との交流パートは全体的に良くできていて、結びの展開も含めてかなり満足させてくれました。なので生ぬるい戦意の無さに関しては少しばかり目を瞑ることにしましょう。少女との交流を描く『レオン』っぽさや、キッチンで銃撃戦を繰り広げる『ニキータ』っぽさがあったので、この監督はベッソン作品が好きなようですね。

終盤では穏健派だったスナイプスも流石に覚醒!戦意バリバリな番長アクション(らしさ全開な腕技主体の格闘戦!)を披露して、アクション目当てに見に来た僕のような観客の期待にもとりあえず応えてくれました。スナイプスの演技面とアクション面、両方の旨みを出せていたので結果的にはそこそこ上手いバランスの作品だったと言えるのではないでしょうか👍