濡れ衣を着せられロシアの刑務所に収監されたアイスマン(マイケル・ジェイ・ホワイト)と刑務所地下格闘技王者ボイカ(アドキンス)による頂上決戦を描いたスポーツアクション。期待の新鋭アドキンスが逸材ぶりを見せつけた1作です🥊
前作はどちらかと言えば格闘戦より人間ドラマ優先な作風だったためスナイプス&レイムス組がハマっていましたが、それに比べて本作のホワイト&アドキンス組の起用は明らかに格闘戦優先の作風に振り切る意志が感じられますよね!実際出来上がった本作は格闘戦のレベルが飛躍的に上がっていて、特に跳躍力や器械体操を含めたアドキンスのアクションは観客の度肝を抜く衝撃的な仕上がりになっていました👏
競技をボクシングからMMAに変えたこともシリーズ成功の鍵となりましたね!1作目でボクサーだったアイスマンがキックや寝技を覚えてMMAファイターになるストーリーは面白かったし、2作目でこの流れを入れたことにより3作目以降は更にMMAに振り切った格闘戦ができるようになった気がします。勝敗のロジックを考えても、今まで圧勝が多かったボイカが跳ね起きや跳び回し蹴りを多用するスタミナの消耗が激しい瞬殺ファイトスタイルを得意としていたのに対し、元プロボクシングチャンピオンのアイスマンは打たれ強い上にスタミナの計算もできていたように見えます。超現実的にハイレベルな格闘戦の中でもこのような勝敗の肝となる部分に説得力があるのもこの作品の素晴らしいところですね🙌
まあ批判ポイントも上げようと思えば沢山出てきますよ。両者とも牢獄であんな身体のできあがり方はしないだろうし、最後の必殺が関節技になるのはいいとしても短期間の練習でアイスマンの通常攻撃がパンチから肘打ち&膝打ちに変わるのはちょっと不自然だったかも?てかそもそもアイスマンのキャラが前作からだいぶ変わってる気が…。アイスマンが釈放されてからのシーンも急に感動方向に振れすぎて蛇足に思えるし、最後に色々とフラッシュバックするシーンでは相部屋で首吊った仲間のことも思い出してほしかったなぁ。
という訳で文句なしの出来ではないですけど格闘映画としてスーパーハイレベルな作品なのは間違いありません!友情が芽生えるシーンや老人との関係性など人間ドラマも決して疎かにはしていないし、監獄モノとしての面白さも多分に含まれていました(監督はヴァンダムのことも好きだから『HELL ヘル』の影響は受けてそうですね、囚人との絆が出来るあたりは結構似てました)。
最後にこれは偶然ですが、アドキンスがロシア人格闘家のボイカ役で売れたのは過去にドルフがロシア人格闘家のドラコ役で売れたのと共通しており、B級筋肉アクション俳優の先輩と後輩がたまたま同じキャリアを持っているのも興味深いなと思いました💪✨