いざわ

エル・スールのいざわのネタバレレビュー・内容・結末

エル・スール(1982年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

寡作の巨匠、ビクトル・エリセの映画。
神のように完全だと思った父への慕わしさ、自分が見つめたことを通してそれが崩れていくこと、喪失やまだ見ぬ土地への憧れなんかを感じられた。
父と娘の物語は、主人公の初の聖体拝領がきっかけになってるんだね。聖体拝領前は父はある種神様みたいな存在だったのに、そこから少しずつ変わっていく。父の最期について、引き金を引いてしまったのが主人公だというのが、お約束だけどこの静かな映画においてはアクセントになってていいな。
映画は過去から始まってだんだん現在に近づき…ってなるんだけど、ラストで主人公の中に香るのが「エル・スルール」への興味と興奮なのは意外だった。でもよく考えたら「エル・スルール」って単語が出たあたりから父の威光に影が落ちるんだね。
たびたび画面のこっち側と視線が合うのはこの監督の手法なんだろうけどどきっとするな
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