くわまんG

ゾンビ処刑人のくわまんGのレビュー・感想・評価

ゾンビ処刑人(2009年製作の映画)
4.0
あらすじ:俺は何のために生まれて、死んで、生きてるんだ…?

戦死したのにゾンビとして甦ったんですけど!?…というお話。

友情、正義、死生観、生き甲斐、因果応報…と多段構えで濃密な辛口ドラマ。ゾンビが義賊として悪党をヒャッハーするスカッとムービーだとばかり…どっこい何とも切ない後味。

ゾンビ化を受容→ゾンビ生活を満喫→ゾンビ人生について自問自答…の三幕構成。第一幕はコミカルにしてないのが吉でリアリティあり。第二幕は期待通りのワイワイどんちゃん騒ぎで楽しい。第三幕は一転シリアスに問題提起してオープンエンディング。いずれも秀逸です。

“腐れ”縁とはまさにこの二人ですが、その友情は本家『処刑人』を凌いでましたね(分かりにくいオマージュ邦題です笑)。バートにとっては、ジャネットよりジョーイが大事だったのです。10年に一度級のボケ「バ○ブde人工声帯」が台無しになるほど、泣けるブロマンスでした。

「道に迷っただけ」の戦士は、嬉々として戦場へ帰還。生き返って死ねなかった理由を、戦場で理解する悲哀。バートのホームグラウンドは、家庭ではなく戦地だったのです。

「その正義とやらを成すのに使うのは、結局銃なんだろ?」という冒頭の台詞が思い出される結末がほろ苦い。“合衆国の”正義の刃となった彼は、果たして幸せなのでしょうか。。