しんご

漫才ギャングのしんごのレビュー・感想・評価

漫才ギャング(2010年製作の映画)
3.6
今は引退された島田紳助さんが若手芸人に対する特別講義でこう言ったことがある。「ネタ合わせする時は2人で歩きながらしなさい。歩いてダベる間とテンポ、それが今後の君らの漫才の基本になるから」と。この映画を見るとコンビには日常生活における「間」が大事なんだと再認識する。

留置場で知り合った飛夫と龍平は性格が真反対だが笑いに対してのアプローチやフィーリングの相性がいい。飛夫の独白と龍平のツッコミが一致したシーンはとても興味深いし、ここからギアチェンジする物語はテンポよく面白い。

プロである品川さんが脚本も書いてるだけあって漫才のシーンも普通に面白いのがいい。笑い声を足すバラエティーみたいな嘘くささのない自然な笑いだから漫才の展開にもスッと感情移入できる。

「友情、努力、愛」ってストーリーラインはどこまでもベタで、キャラも嫌な奴が1人も出てこないのは物足りないと言えばそれまでだけど、品川監督の観察眼が存分に発揮される多才なキャラ達が屋台骨となって、そんなベタさも飽きずに楽しめた。

個人的には借金取り役の宮川大輔がかなり面白かった。暴力的で笑いのセンスがズレてるけど根が優しいあのキャラかなり好き。
しんご

しんご