山本Q

禁じられた遊びの山本Qのネタバレレビュー・内容・結末

禁じられた遊び(1952年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

たまたま見るタイミングがあったので鑑賞。

 ギターの旋律があまりにも有名なこと以外何も知らなかった。
 見てみるとこんなお話だったんだという感想。
 小さな女の子が戦争で孤児になって可哀想。戦争って本当に駄目!という映画だと思うけど、それだけか?という気がしないでも無い。

 あらすじは孤児になった女の子が農家で保護され、その家の男の子と仲良くなるが、孤児院に引き取られ離れ離れになる。という流れ。
 農家にいる間、女の子と男の子は死んだ飼い犬の埋葬からお墓を作ることに執着して多くのお墓を作り始める。このお墓作りが多分禁じられた遊びなんだと思う。

 この遊びに至る過程とお墓を作る意味が興味深かった。両親は爆撃時の機銃掃射で女の子を守りながら死ぬのだが、すぐに1人でその場を離れた女の子は両親の死を飲み込めず混乱のまま整理をつけようとお墓に執着しているように思えた。
 ただどうして墓を作るという行為につながるのがいまいち飲み込めない。キリスト教圏での文化が背景にあるのだろうか。そうだとしたら、伝わらないのも理解できる。
 タイトルがどこまで製作者の意図を反映しているかわからないが、遊びを禁じた主体が誰かいまいちわからない。作中で墓を作る事を知っているのは主体者の少年と少女だけ。禁じるどころか知るものもいない。すると「遊びでお墓なんか作るもんじゃありません」と禁じているのは倫理感のようなものだろうか。
 フランス映画である事を考えると何かの暗喩で、少年少女が作るたくさんのお墓は、戦争の犠牲者で引き裂かれる少年と少女は翻弄される一般市民を表している。とか。
 時間が離れると分からなくなったり変質してゆく事柄も多いということがどれほどなのかと思ったりもする。

 古い映画なのでかなりわからない事も多いが、言及している記録も多いと思うのでいろいろな見識を探して知るのが面白そう。
山本Q

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