このレビューはネタバレを含みます
[ラストも上手い]
ラストでシャーリー・マクレーンのフランが、バドの元へ走り出す時の生き返ったような顔、そしてエンドクレジット前の「配って」という言葉が、涙が出る程良かった。
ジャック・レモンのバドの方は、コメディの上手さも、さることながら、彼が殴られて「ちっとも痛くない」と言い、かえって愛を確信した所がホントにいい。
また、ピストルの音と思わせてシャンパンの栓だったことなどビリーワイルダーの演出の上手さには驚かされる。ユーモアと人間賛歌(ペーソスも)が感じられる。
何とも洒落た、そして粋な映画。(2015.11.15)
裏テーマとして、シェルドレイク部長(フレッド・マクマレイ)がバクスターからすべてを奪おうとすることに象徴される“搾取する資本主義”批判(町山智浩の解説による)は、ちょっと分かりにくかったが、言われてみればそうかもしれない、と思った。
どんでん返しのようなラストの締めくくりと、あえて余計なことを言わない幕切れが涙ものの、ビリー・ワイルダーの最高傑作だと思う。(2021.2.21)